低用量ピルの中では、トリキュラーが最も代表的なピルです。
世界中で活用されており、日本の病院でも処方されている実績と安全性の高さが魅力のピルとなっています。
トリキュラーには、黄体ホルモンとしてレボノルゲストレルが、卵胞ホルモンとしてエチニルエストラジオールが配合されています。
トリキュラーを服用すると、これらの女性ホルモンの血中濃度が高くなり、脳から分泌されるホルモンが抑制されるため排卵が起こらなくなります。
また、子宮頸管粘液を変化させることで精子が子宮に侵入しにくくしたり、子宮内膜が厚くならないようにして受精卵を着床しにくくする効果もあります。
これらのメカニズムが総合的に作用することによって避妊効果を得ることができます。

トリキュラーは副作用が少ないピルとして活用されていますが、人によっては副作用が出る場合があります。
代表的な副作用としては、吐き気・頭痛・下腹部痛などを挙げることができます。
トリキュラーはほかのピルよりも体内のホルモンバランスを急激に変化させないように工夫がなされており、身体の中に備わったホルモン分泌のパターンと同様に薬剤に含まれた成分が作用するようになっています。

トリキュラーには21錠タイプのものと28錠タイプのものが販売されていますが、薬剤に含まれている成分は同じです。
21錠タイプのものは、21日間毎日1錠ずつ同じ時間に継続して服用し、その後7日間の休薬期間を設けます。
28錠タイプのものは、21錠タイプのものと同様に、21日間毎日1錠ずつ同じ時間に継続して服用しますが、その後、同じシートに含まれている偽薬(プラセボ錠)を服用します。
偽薬には避妊効果のある成分は含まれていませんが、偽薬を飲むことでピルの飲み忘れを防ぐことができるようになっています。

トリキュラーの効果によって子宮から剥がれ落ちた子宮内膜が体外へ排出される際に出血が起こります。
これが消退出血です。消退出血はピルを服用すれば自然に起こります。
トリキュラーによって消退出血が起こるタイミングは休薬期間中です。休薬期間の2日目から4日目に消退出血が起こることが多いです。

低用量ピルよりも含まれている女性ホルモン量がさらに少ない超低用量ピルもあります。
その代表的なピルはヤーズです。
含まれている女性ホルモンの量が少なくとも、高い避妊効果はそのままで副作用が生じる可能性はさらに低くなっています。
低用量ピルでは副作用が出てしまいピルが使えなかった方でも、超低用量ピルなら使えるという場合も少なくありません。
副作用の心配が少ないため安心して使用することができるのが超低用量ピルの魅力です。

ヤーズは副作用が少ないのが特徴

ヤーズは国内初の月経困難症の治療薬です。
海外ではニキビの治療薬や、避妊効果も高いため避妊薬としても人気のある商品です。
ただし日本では月経困難症の治療のみでしか保険が適用されません。避妊を目的とする場合は自由診療として扱われます。

超低用量ピルというだけあって、女性ホルモン量が低用量ピルの中で一番低いため副作用が出にくいのが特徴と言われています。
しかし薬である以上副作用が出ないわけではありません。
人によっては吐き気や頭痛などの副作用が起こる場合もあります。
また発生頻度は極めて低いものの、血栓症については国内での発症例が報告されています。

シートは28錠タイプのものが販売されており、休薬期間は4日間です。
従来の低用量ピルは休薬期間が7日間でしたが、4日間に短縮されるので、休薬期間におこりやすい頭痛などの症状も抑えることができます。
通常休薬期間である4日のタイミングで月経に似た消退出血が始まります。

トリキュラーには黄体ホルモン薬としてレボノルゲストレルが使用されていましたが、ヤーズには黄体ホルモン薬のドロスピレノンが配合されています。
また卵胞ホルモン薬にはトリキュラーと同じくエチニルエストラジオールが使用されています。
1周期あたりの総ホルモン量はドロスピレノンが72mg、エチニルエストラジオールが0.48mgです。

黄体ホルモン薬としてドロスピレノンを主要な成分としていることがヤーズの大きな特徴であり、副作用が出にくいことと大きく関係しています。
従来のピルは男性ホルモンから黄体ホルモンを合成していたため、アンドロゲン作用という男性化作用が起こり、体重の増加や多毛症、ニキビなどの症状が起こりやすいものでした。
しかしドロスピレノンは利尿ホルモンから合成されているため、体内で自然につくられる黄体ホルモンと極めて近いという特徴があります。
そのため、アンドロゲン作用が起こりにくく、副作用が少なくなるというメカニズムになっています。